申告期限の延長の特例について

2024/07/16

日記

経営者の皆さん。

決算が近づくと、いろいろとやることが増えてきて大変ですよね。

 

決算月が終わり、そこから2か月以内で申告をしなければ。

「なんで申告期限はこんなに短いんだー!バタバタしてしまうじゃないかー!」

と大変な思いをされた方もいらっしゃったかもしれません。

 

 

そこで今回は、

申告期限を延長できる「法人税・消費税の申告期限の延長の特例」についてお伝えします。

 

 

【概要】

この特例は要するに、

「何か特別な事情で期限内の申告が難しい場合、事前に届け出ていれば申告期限の延長を認めますよ」

というものです。

 

 

【要件】

いくつか特例を適用できる場合がありますが、

今回は、一般的な企業で該当する場合が多い下記の要件の場合について記述します。

 

「定款等の定めにより、又は特別の事情があることにより、

今後、各事業年度又は各連結事業年度終了の日の翌日から2月以内にその各事業年度又は各連結事業年度の決算についての定時総会が招集されない常況にあるため、

申告期限の延長をしようとする場合」

 

これは、要するに、

2か月以内に定時総会が開催されない状況にある場合、

2か月以内に申告ができない(一般的に定時総会で承認を得た上で、申告を行う為)ということで、1か月の延長が認められる。

ということです。

 

ですので、2か月以内に開催されない状況という証明が必要です。

 

 

【必要書類】

いずれの場合でも、申告期限延長届出と共に定款を添付し、提出します。

この定款に、下記の文言が記載されていることが必要です。

 

〇株式会社の場合

「定時株主総会が、事業年度終了の日の翌日からか月以内に召集される」という趣旨の文言が必要です。

 

〇有限会社の場合

「定時社員総会が、事業年度終了の日の翌日からか月以内に召集される」という趣旨の文言が必要です。

 

〇合同会社の場合

「決算の確定が、事業年度終了の翌日からか月以内に行われる」という趣旨の文言が必要です。

 

 

【メリット】

2か月以内に申告できなかったが、延長した期限内(3か月以内)には申告できた場合のメリットです。

 

①「無申告加算税」がかからない

②二期連続で2か月以内に申告できていなくても「青色申告の承認」が取り消されない

③延長した期限内で発生した利子税を損金に出来る

(通常、納付期限に遅れている場合には、損金に出来ない「延滞税」がかかります)

 

 

【デメリット】

申告期限を延長することで生じるデメリットは特にございません。

 

ただし、あくまで「申告期限の延長」ができるだけです。

納付期限が伸びるわけではないため、

2か月を超えての申告の場合に利子税は発生してしまうことに注意しましょう。

 

「延長した期限内の申告でいいや」ではなく、あくまでリスクヘッジとして捉え、基本的には2か月以内申告を行いましょう。

 

 

【参照サイト】

C1-17 定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請|国税庁 (nta.go.jp)

 

今回取り上げた要件も含め、7つ特例の適用ができる場合が挙げられております。

 

 

文責:長内