2024/08/27
日記
・一括償却資産と少額減価償却資産について
税理士事務所勤務1年目の私は前回に続き、入所してから学んだことを投稿しようと思います。今回は減価償却費・一括償却資産・少額減価償却資産について取り上げます。
◆そもそも減価償却とは
車や建物などは一般的に使用や時の経過によってその価値が減っていきます。よって帳簿と実態をあわせるためには資産を取得した時に全額経費とするのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して費用計上を行う必要があります。
つまり、減価償却とは償却資産(使用や時の経過によって価値が減少していく資産のこと)の取得金額を一定の方法によって各年度の必要経費として分配していく手続きのことです。
◆一括償却資産とは
一括償却資産とは10万円以上20万円未満で取得した償却資産を使用開始日から3年間にわたり償却を行っていくという減価償却に関するルールの1つです。
例をあげると、18万円の償却資産を取得した場合は取得した年に6万円を償却することができ、翌年、翌々年も6万円ずつ償却することができます。
◆少額減価償却資産とは
少額減価償却資産とは取得金額が30万円未満の償却資産を取得した場合に、取得した年に全額費用にすることができるという制度です。
ただし、この制度には条件があります。
・1つ目が青色申告をしている中小企業であること
・2つ目が年間300万円までしか経費にできないこと
以上のように一括償却資産とは違い少額減価償却資産には条件があるので注意しましょう。
◆金額ごとの償却の例について
〇例① 10万円未満の資産の購入
<上記の場合の償却方法は1つ>
・取得し事業供用した年度に全額経費として計上を行う
(法定耐用年数に応じて償却もできます)
〇例② 10万円以上20万円未満の資産の購入
<上記の場合の償却方法は3つ>
・法的耐用年数に基づいて減価償却を行う。
・一括償却資産として3年にわたり減価償却を行う。
・少額減価償却資産の特例を適用し、取得した期に全額経費として計上を行う。
〇例③ 20万円以上30万円未満の資産の購入
<上記の場合の償却方法は2つ>
・法的耐用年数に基づき減価償却を行う
・少額減価償却資産の特例を適用し、取得した期に全額経費として計上を行う。
〇例④ 30万円以上の資産の購入
<上記の場合の償却方法は1つ>
・法的耐用年数に基づき減価償却を行う
以上のように、金額によって費用計上にはいくつかパターンが存在します。
その時の状況に合わせて費用計上を行いましょう。
<参考文献>
1.No.2100 減価償却のあらまし|国税庁 (nta.go.jp) 2024/8/15閲覧時点
執筆:野村