2024/06/26
日記
みなさんは家賃や駐車場の賃貸料が課税取引に該当する場合とそうでない場合があることはご存じでしょうか。
私自身、会計事務所に入所するまでしっかりと理解できていなかったので、今回は消費税法上、家賃や駐車場代が課税取引に該当する場合と、しない場合の判断基準についてお話ししたいと思います。
〇家賃
家賃に関して、
簡単に言うと、事業用の目的で貸付をする場合は課税取引に該当しますが、居住用の目的で貸付をする場合は非課税取引に該当します。
なぜ居住用の家賃に限っては非課税になるのでしょうか。
理由は、『住居費は国民が生活するうえで大切な要素の一つであると考えられるため』ということです。社会政策的に課税対象にふさわしくないと判断されるものは非課税取引に該当することになります。
家賃以外にも、“敷金・礼金・更新料・管理共益費 “等が貸付に係る費用として非課税扱いになりますが、“仲介手数料・更新事務手数料・鍵の交換費用”等の家賃とは別に受け取る対価には消費税がかかりますので併せて覚えておくと良いかもしれません。
〇例外
例外的に、居住用家賃であっても消費税がかかる場合があります。
・貸付に係る期間が1か月に満たない場合
・貸付が旅館業法に規定する旅館業に係る施設の貸付に該当する場合
例えば、旅館、ホテル、民泊、ウィークリーマンション等は、その利用期間が1か月を超える場合であっても課税対象になります。
また、契約上において居住用であることが明らかでないと非課税とはなりません。
〇駐車場
駐車場の貸付けは基本的には課税対象になります。
土地の貸付けは非課税取引になるのに、なぜ駐車場の貸付けは課税取引になるのでしょうか。
駐車場が課税取引になる理由は、駐車場として整備をして貸している場合、整備された部分が老朽化する(消費されている)と考えられているからです。
では、青空駐車場はどういった扱いなのでしょうか。
国税庁のタックスアンサーNo.6213 駐車場の使用料など|国税庁 (nta.go.jp) において、次のような記載があります。
『駐車している車両の管理を行っている場合や、駐車場として地面を整備したりフェンス・区画・建物の設置などをして駐車場として利用させる場合には、消費税が課されます。』
上記の文章で考えると、砂利の上にロープで区画しただけの青空駐車場も課税取引になるのでしょうか。
過去に青空駐車場の取り扱いについて裁判があったらしく、結論としては課税取引に該当するそうです。
(平22.3.2、裁決事例集No.79) | 公表裁決事例等の紹介 | 国税不服審判所 (kfs.go.jp)
要するに、アスファルト舗装されていない青空駐車場であっても、実態として駐車場として使用されていることが明らかであれば、課税取引に該当するそうです。
原則を覚えていたとしても、例外があることを理解していなければ誤った会計処理につながってしまうので、日々勉強あるのみだと再認識いたしました。
髙橋