103万円の壁ってなに?

2024/11/01

日記

103万円の壁ってなに?

 

 

 そろそろ年末が近づいてきましたが、学生時代に「扶養外れちゃうからもうアルバイトできない」と言っているお友達や、親から「扶養から外れないでね」と口酸っぱく言われた経験有りませんか?

 

 なんとなく聞いたことのある扶養控除の壁について今回は解説していこうと思います。

 

 

 

 まず、前提として扶養控除とは2種類あることはご存じでしょうか?

 

 ・103万円を上限とする税金上の扶養控除

 ・130万円を上限とする社会保険上の扶養控除

 

 大きく分けて上記の2種類が存在しており、それぞれ細かく解説していきます。

 

 

 

 

☆103万円の壁

 103万円の壁とは所得税や住民税が発生する基準であり、年収103万円以内に抑えると税制上の扶養に入りながら働くことができます。

 

 

Q.では、そもそもなぜ103万円なのか。

 

 それは所得税の基礎控除額(48万円)と給与所得控除の最低保障額(55万円)の合計が103万円だからです。

 

 

 最低賃金は徐々に上がり続ける傾向にありますが、103万円の壁は1995年に103万円に引き上げられて以来、変わっておりません。

 

 とある政党が103万円を178万円に引き上げるとの政策を掲げておりましたが、現状変わる予定はありませんのでご注意ください。

 

 

 

 

☆130万円の壁

 130万円の壁とは社会保険に加入する基準であり、年収130万円以内に抑えると社会保険上の扶養に入りながら働くことができます。

 

 社会保険の第3号被保険者から外れるとご自身で医療保険料と年金保険料を負担しなければいけなくなります。

 

 この第3号被保険者に該当するためにはいくつか条件があり、そのうちの一つが年収130万円未満と定義されているということです。

 

 例外として、扶養されていた人が60歳以上の場合には、年収180万円の壁へと変わります。

 

 これは、年収の査定に年金収入も含まれるからだと考えられます。

 

 また、さらに例外として、扶養する側の年収の1/2を超える場合はそちらが適用されます。つまり扶養する側の年収が300万円の場合は、150万円が上限となりますのでご注意ください。

 

 

 

 

☆年収の考え方

 年収に交通費を含めるかどうかは税金を計算する時と、社会保険を計算する時で異なります。

 

 『税金』を計算する場合は、交通費が非課税であれば年収に含みません。

 

  国税庁によると一月あたりの交通費のうち合理的と認められるものであれば、15万円まで非課税に該当するそうですが、月15万円以上の場合は課税対象となり年収に含まれるそうです。※①

 

 なお、派遣社員の場合など、交通費が給料に含まれており、給与(課税)と通勤手当の区別がつかない場合も全額課税対象となります。

 

 

 『社会保険』で年収を申告する際は、交通費を含みます。また、各種手当やボーナス等のすべての金額を合わせた額ですのでご注意ください。

 

 

 

 

補足

☆106万円の壁

  特定の要件を満たす方は、通常130万円から発生する社会保険料が、106万円へと引き下がってしまいます。その条件は下記の通りです。

 

 ・従業員数が51人以上
 ・労働時間が週20時間以上(残業時間などは含まない)
 ・賃金が月8万8000円以上(残業代、賞与、通勤手当などは含まない)
 ・学生ではない(夜間学生などは対象になる)
 ・2カ月を超える雇用が見込まれる

 

 一つ目の要件である従業員数ですが、R6.10月から101人から引き下がったことに伴い、社会保険に加入しなければいけない人が増えましたのでお気を付けください。

 

 

 この〇〇の壁ですが、調べてみると聞きなじみのないだけで、たくさん壁が用意されているようです。いろいろと調べてみるのも楽しいかもしれませんね!

 

髙橋

 

参考

※①通勤手当の非課税限度額の引上げについて|国税庁