2024/12/06
日記
税理士事務所勤務2年目の私は前回に続き、入所してから学んだことを投稿しようと思います。今回は個人事業主の方が法人成りした場合の消費税について取り上げます。
結論、消費税が2年間免除になるのでお得です!
もちろんいろいろ条件等がありますのでその点についても掘り下げていきます。
まず、消費税は基準期間(二期前)の課税売上高を基に納税義務の判定を行います。
この基準期間の課税売上高が1,000万円を超える者はその期消費税の納税義務が発生します。
〇例
3月決算の令和6年の納税義務(消費税課税事業者選択届出書の提出はないものとする)
令和4年3月期の課税売上高が1.200万円
令和5年3月期の課税売上高が1,000万円
上記の場合だと令和6年3月期は消費税の納税義務が発生します。また令和7年3月期は基準期間の課税売上高が1,000万円以下のため免税になります。
ここで本題に戻ります。
個人事業主の方が法人成りした場合の設立1期目、2期目には納税義務の判定を行うための基準期間の売上がそもそもないため、免税事業者になります。
また、業種によってはインボイスの登録を行う必要があり、適格請求書発行事業者の登録を行っている場合は設立1期目、2期目にかかわらず、消費税の納税義務が発生します。しかし、その場合は2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)という制度を使うことができます。この制度は売上にかかる消費税に対し20%乗じた金額を納税するというもので、小規模事業者の方の税負担軽減のためにある制度になります。
以下が計算の例になります。
〇2割特例の例
売上額 220円(税込み)
仕入・経費 110円(税込み)
この場合20円が売上にかかる消費税額になり、この20円に20%を掛けた金額の4円が消費税の納税額になります。本来(本則課税)の場合だと売上にかかる消費税20円から仕入・経費に掛かる消費税10円を差し引いた金額10円が納税額になります。
上記のように2割特例を用いて消費税の計算を行うとかなり消費税の金額が抑えられますが、3期目以降は本則課税、もしくは簡易課税のどちらかを選択にする必要があるので注意が必要です。
〇まとめ
上記記載の理由から個人事業主の方が法人成りした場合は設立1期目と2期目の消費税の納税額を抑えることができるため、法人成りすると消費税だけでいえばお得であるといえます。ただ、設立時の資本金の金額が1,000万円以上である場合や特定期間(前期の期首から数えて半年間)の課税売上高(または給与等支払額の合計額)が1,000万円を超える場合は納税義務が発生しますのでご注意ください。
野村